2007年5月13日

[users 7176] Re: クラスタシステムについて

楠根です。
ほとんど渡辺さん宛の内容ですが…

渡辺さんのメイルを読んでいると、
どうも目的と手段の整理がぜんぜんできていないように見えます。

技術というのはあくまで手段です。
やりたいことがまず先にあり、その際の条件なども考慮し、

その要求を満たせる実現方法として適切な技術を組み合わせる、
というのが本来の自然な流れですよね。

たとえば、
「みんなとの連絡手段を用意したい。
みんなメールに比較的慣れてるからメールがお手軽かな?
分類のために相手によって別々の宛先を用意したいし、
メールアドレスやドメインを複数運用してくれるサービスは高いから、
自分でメールサーバを用意してしまった方がいいかな」
…みたいな。
この場合、あくまで本来の目的は「連絡手段の確保」なので、
検討した結果「連絡手段の確保」が達成できている必要があります。
極端な話、もし対象の中でメールが使えない相手がいた場合、
メールの利用すら捨てることになる可能性もありますね。

まあ、とはいえ、ここにいる人達の多くは(私も含め)、
いろんな技術に触れること自体に楽しみを覚える人も多いでしょうし、
「メールサーバをたててみたい」みたいに、
技術の利用自体が目的というケースもあるでしょうね。
その場合は「メールサーバをたててみたい」という目的を意識して、
それがなるべく十分に達成できる方法を選ぶことになるわけですよね。
# もちろん実際にはこんな単純ではなく色々条件がつくのでしょうけど。


ところで、
この話の最初からいきなりクラスタという言葉がひとり歩きしていますが、
本当に渡辺さんの目的にはクラスタの使用が適切なのですか?
というか、そもそも渡辺さんが言っている「クラスタ」って何ですか?
渡辺さんの考える「クラスタ」とみんなが説明してるクラスタは同じですか?

「何をクラスタで提供したいのですか」と聞かれて
「例えばメールサーバなど」と回答されていましたが、
サーバの種類によってそれぞれ機能構成が違い、向き不向きも全然違います。

「例えばメールサーバなど」は、データが刻々と転送されていくので、
それらを単純にミラーしてしまっては重複やループが発生してしまいます。
そもそも、早くからシステム(≒インターネット)全体としての可用性が求められ、
primary/secondary 構成や DNS の MX レコードなどの技術が使われており、
これらの手法を利用する場合は従来からのノウハウの蓄積を活用できます。
以上の理由で、お手軽な似非クラスタ構成の採用には比較的向かなそうですが、
こうした点はちゃんと考えられていますか?

というか、いろんな人が同じような質問をしていますが、
そもそもの目的は何でしょうか?何がしたいのですか?
もう一度考えてみて下さい。

On 2007/05/12 15:58, watanabe wrote:
>> サービスレベルが定まっていないFedoraで、
>> いくら二重化したところで無駄だということです。
> よく解りました。
> でも、自分はFedoraを使用したいと思います。
> その他魅力を感じるのはSUSEです。

例えば CentOS もだめなのですね?
それはつまり「Fedora Core でクラスタを組みたい」というのが、
渡辺さんの本当の目的だということなのではないですか?
だとすれば、ちゃんとしたクラスタについて調べるのではなく、
既にみなさんが挙げているような要素技術の組み合わせの運用例を調べ、
その種のサービスを自分でも建ててみる、というアプローチの方がいいかと。

「いやいや私は今運用しているサービスの可用性を本当に高めたいのだ」
とおっしゃるかもしれませんが、少なくとも、土台を Fedora Core にした時点で
一般的なクラスタ技術にとっての大前提がすっとばされてしまっているので、
それ以上そのアプローチを続けても話がかみあわないと思います。
# 「急ぐんだけど、タクシーで池袋から渋谷までどの道を指示すれば早いかな?」
# 「ほんとに急いでるなら電車乗れよ…」みたいな。

>> 高可用性クラスターのところだけに限っては、
>> Fedora Coreの技術がRed Hat Enterprise Linuxでも役立つとは
>> 言えません。
>> 評価版の寄せ集めでも結構ですから、最初からRed Hat Enterprise
>> Linuxで試すべきです。
> クラスタは価値があると思います。
> だから5千万とかでも売れるのでしょうね。
> 開発を目的のFedoraなら価値があるものにもチャレンジしてほしいと思います。
> 開発を目的のFedoraだからこそ自分は魅力を感じています。

なんとなく通じていないような気がするのですけど。
Fedora Core は、
「そのうち Red Hat Enterprise Linux みたいな distribution に入るといいなー」
と思う software をいろんな人達が寄ってたかってつっこんで、
「まあ試しに動くかどうかみてみるかー」
とやるための実験用 distribution なので、そもそも可用性とかは二の次なのです。
可用性を高めるための要素となる software はいくつか入ってるかもしれませんが、
それらは software として正常に動作することを確認できるだけで、
それらが有効に組み合わされて最高の性能を発揮できるような環境ではないのです。

もう一度、目的と手段についてよく考えた方がいいかと思います。
目的がはっきりしない状態でキーワードだけ挙げても、
いまいちかみあわない状態が続くだけだと思いますよ。


あとおまけで 1 点。もしかして渡辺さんは学生さんですか?
「コスト」という言葉を自動的に「お金」という言葉に置き換えているようですが、
「コスト」という概念の中で金銭は一部でしかありません。
他にも作業の手間や時間、人間関係など、さまざまなものを含む総合的な概念です。
お金だけ気にしてると思わぬ所で違ったコストにはね返ってくることがあります。

それぞれの立場でそれぞれの要素の相対的な価値の大小は違ってきますが、
ともかくこれらは総合的にみるようにした方がいいと思いますよ。
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Takeshi Kusune <kusune@xxxxx>
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投稿者 xml-rpc : 2007年5月13日 07:38
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