2003年11月 6日

[julius-u:00142] Julius 3.4 をリリースしました

みなさまこんにちは,
李@奈良先端大 です.

アナウンスが遅れてしまってすみません.
Julius-3.4 をリリースしましたので,お知らせします.
以下からお取りください.

http://julius.sourceforge.jp/
(今回より Linux用のコンパイル済み実行バイナリも配布しています.)


Julius-3.4では,以下の点が追加・改善されました.

- Julian(文法ベースの認識)の統合

従来のJuliusは統計言語モデル(単語N-gram)を用いる認識エンジン
でしたが,今回から,記述文法に基づく認識を行うエンジン Julian
が統合されました.コンパイル時に ./configure --enable-julian
とすることで Julian がコンパイルできます.

「記述文法による認識」とは,発話される単語や文のパターンをあら
かじめ以下のような形で人の手で記述しておき,それに従って
認識を行うものです.

--------------------------------------------------------------
*文法ファイル:文のパターンをシンボルで記述

S: NS_B FILLER COMMAND NS_E
COMMAND: DEVICE OPERATION
--------------------------------------------------------------
*辞書ファイル:各シンボルごとに展開される単語の読みを記述

% FILLER
あのー a n o:
じゃあ j a a
% DEVICE
ブラウザ b u r a u z a
Emacs i: m a q k u s u
Emacs e m a q k u s u
% OPERATION
閉じる t o j i r u
開く h i r a k u
最小化 s a i sh o: k a
--------------------------------------------------------------

認識では,上記で書いたパターンの中から入力に最も適合するものが
出力されます.

単語N-gramに比べて,簡単に自分の辞書を構築できるので,
小語彙の単語認識や音声コマンド認識などに適しています.

なお文法の作り方については,アーカイブの中の doc/ をご覧ください.


- ライセンスにおける使用制限条項の撤廃

従来からJuliusはフリーソフトウェアですが,最近になって,
ライセンスの一部に問題があり,利用条件が限られているとの指摘を
受けました(*).これを受けて,3.4 からは フリーソフトとして問題
なく活用できるよう3.4 からライセンスを改訂しました.

* http://slashdot.jp/article.pl?sid=03/06/06/1055203

- 信頼度計算のサポート

認識された各単語が,いったいどのくらいの確信度で認識されたのか
を示す「信頼度」という値が出力されるようになりました.
0〜1.0の値で,これが大きければ正解の可能性が高く,小さければ認
識誤りの可能性が高くなります(あくまで目安です)

これを用いれば,例えばアプリケーション側で信頼度の低い(=誤認
識の可能性の高い)単語を処理から除外する,といった高度な処理が
可能となります.

- クラスN-gramに対応

品詞単位のコンパクトな品詞N-gramを使用できるようになりました.
(ただし,現在のところ品詞N-gramの作成環境が整っていません)

- 動作の安定化


他にも,3.3からの変更点としては,入力の反応速度の向上や ALSA-0.9.x へ
の対応,"-record dir" による音声入力の録音機能,サーバークライアントモー
ドのバグ修正などがあります.

はっきりいって,ドキュメントが多いに不足していることを痛感しております.
#なかなか時間がとれないもので…
分からない点などあれば,このML,またはJuliusの掲示板でも結構ですので
どしどしお寄せください.

では.
--
李 晃伸 (ri@xxxxx) 奈良先端大 情報科学研究科
音声認識エンジンJuliusのページ:
http://julius.sourceforge.jp/

投稿者 xml-rpc : 2003年11月 6日 11:59
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